医師業務の軽減のために、省力型のPOSの普及を
医療法人真鶴会 小倉第一病院
                                      理事長・院長 中村定敏
はじめに

 医師不足のために産科、小児科、外科、更に内科まで縮小・閉鎖に追い込まれた病院は少なくありません。医学部の定員を増やし、医師数を増やすには最低8年間はかかります。間尺に合いません。対応策は医師の定年延長と医師の業務の大幅な削減です。米国のように記録業務の大半を医療秘書に委ねる、真に使いやすく効率的診療記録法の工夫などが必要です。当院では医師は週4日医療現場での勤務、1日は自己研修の日として、レベルの高い診療を可能としております。特に当院で開発したシステム手帳に倣ったシステムカルテは情報の検索が容易で、医師・看護師其の他のスタッフでの機能体組織医療を容易にしており、その省力効果は抜群であり、看護職をはじめ全職員の年間30日の有給休暇の完全消化を可能にしております。その結果、医師はもちろん、看護師の離職率も低いという成果が得られています。
 医師不足対策として1500億円、医師業務を支援するための事務職員に300億円が予算化されております。微々たる予算で、到底医師不足を解決することは期待できませんが、事務職員が医師の業務を軽減するという仕組みは、活用次第では極めて有効な手段です。また、当院で長年、開発してきた省力型問題志向システム(Problem Oriented System POS)も大いに役立つと自負しております。
 事務職員は6ヶ月の研修を義務付けされております。この機会に事務職員にPOSを理解し、活用して頂くことによって、医師の業務の軽減のみならず、医療の質や安全の向上にも役立てて頂こうと企画しました。
 当院は全職員がPOSで記録します。その中の51名はPOS医療認定士です。情報開示に役立っており、患者さんに大好評です。
 どうか、この機会にPOSを学んで下さい。
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